運転会は何時から?

2023年08月08日

ご来場のギャラリーの方から、「何時に来たら機関車に乗れますか?」とのご質問がありました。

7月の運転会に初めて見えたギャラリーの方から「何時頃に来たら機関車に乗れますか?」とのご質問を頂きました。

5インチ、3.5インチ の人が乗車できる機関車に乗ることができる目安の時間「午前10:00前後から午後2:00前後まで」となります。

目安の時間ですので、午前10:00ぴったりに乗車出来ないこともありますので、その際は少々お待ち頂ければと思います。急な降雨などの天候、線路のコース状況などにより、予定通り運行出来ないこともありますので、その際はご理解を頂ければと思います。

なぜ、ぴったり10:00の乗車時間を約束できないかは、「私たちの庭園鉄道の運営」と「蒸気機関車ならではの特徴」に理由があります。

1.日本庭園鉄道は、鉄道模型の工作と運転を愛するメンバーが集う有志のクラブなのです。

 クラブメンバーは、イベント業者でもなく、この施設の専門要員でもありません。鉄道模型を趣味とする、普通に仕事している人間です。(リタイアされた大先輩もいらっしゃいますが・・) ギャラリーの皆様にとって、運転会は走る機関車を観れる日、機関車に乗れる日ですが、私たちクラブメンバーにとっては、機関車を運転できる日だけではなく、「活動日」という意味合いがあります。安全に運転、運行するには、線路の清掃、点検、整備などが必要です。また、皆さんの乗車される客車もクラブの所有物。これも整備が必要です。これらの作業を運転会の朝に実施しています。問題が無ければ良いのですが、不具合があると、そこから修理。10:00に間に合わなくなることもあります。

2.蒸気機関車は、水を沸かして蒸気を作り、その力で走ります。

5インチ、3.5インチ、そして一番ゲージも蒸気機関車は本物と同様、火を焚いてお湯を沸かし、蒸気を作り、その力で走ります。ライブスチームとも呼ばれていますね。(電気機関車はバッテリーですが・・・) 燃料は5インチは石炭や木炭。一番ゲージはガスやアルコールです。 

私の運転する5インチ蒸気機関車の例です。私の機関車のボイラー容量は約7,000cc。まずは6割程度、約4,000ccの水をボイラーの入れ、焚き付け材など準備をし点火、石炭をくべつつ、この4,000㏄の水を沸騰させます。沸騰=100℃、やかんの蓋が持ち上がる状態、電気ケトルならスイッチが切れる状態ですが、この状態では機関車は動きません。このまま火を焚き続け、ボイラー圧力を5気圧まで上昇させます。機関車には、安全弁というボイラーの破裂を防ぐ装置があり、ボイラー内の気圧が危険な強さになると自動的に口が開いて蒸気を出します。私の機関車は5気圧になると、この安全弁が作動します。この安全弁の作動確認が完了すると初めて本線コースの出場が許されるのです。(通常の運客運行時は蒸気圧4気圧程度で走っています。)水を入れてから、ボイラー圧力が上がり、安全弁の作動確認まで、夏場で約25~30分。冬は40~45分程掛かります。 蒸気機関車はすぐには走れないのです・・・

7月のある運転会の朝の様子です。

①庭園鉄道にメンバーが到着。→ 一番早い会員の到着はAM8:00頃。

②線路の清掃。→ エンジンブロアーで線路の落ち葉を吹き飛ばし、ポイントを点検します。(約30分)

③機関車を車から降ろします。→ 蒸気機関車は各メンバーの個人所有。車に載せて通ってきます。5インチの日本型蒸気機関車の重さは100kg以上、これを専用リフターを使用し、コースに降ろします。また、運転に必要な石炭や用具類も降ろします。(約20分)

④機関車のスチームアップ。→ ボイラーに水を注入。また、走行時に使用する水を水タンクに入れます。焚き付け材など準備をし、点火。安全弁の作動確認まで実施します。(お湯が沸くまで併行して注油作業などを実施します。)(約30分)

⑤客車の準備→ ギャラリーの皆様が乗車する客車を倉庫より引出し、本線へ移動。点検を実施します。(約10分)

⑥機関車の移動、客車との連結→ スチームアップ後の機関車をターンテーブル(転車台)から本線に移動。客車と連結します。(約10分)

⑦本線での試運転→ 外周線路の外側線、次に内側線の順で試運転。線路状況確認、ポイント作動確認をします。(約10~15分)

そうすると、あっという間に午前10:00前。これでやっと「さあ、お乗りください。」となります。

午後2:00以降の運転後は、朝の様子とは違った作業がたくさんあります。こちらは、また、次の話・・・

次の運転会は8月20日(日)です! 飲み物と帽子を忘れずにお出でください!